ファルカン監督の話

今から丁度10年前のお話。わずか8ヶ月間で解任された日本代表監督がいました。パウロ・ロベルト・ファルカン。元ブラジル代表も勤めたこの監督はドーハの悲劇の後、オフト監督の後を受け3つの大会、9試合を戦いました。

元ブラジル代表の黄金の中盤の一人。
ブラジル代表の4バックドイスボランチを日本代表に適用。サイドバックの積極的な攻撃参加を奨励し当時イタリアにいた三浦和良をチームの中心にすえた。
就任当初は自身の選んだメンバーで戦ったが、強豪国フランスに惨敗しオフトジャパンの中心選手を呼び戻す。
自身の進退がなぜかかけられた広島アジア大会の準々決勝対韓国戦
1-2から後半41分に井原のロングシュートで追いついた日本
2-2のまま延長かと思われた後半ロスタイムに韓国代表ファンソンホンが井原に足をかけられたかのように倒れPKの判定。
そのまま3-2で敗戦した。

このとき、強化委員だった川淵さんはファルカンの解任を決めました。
その理由はこんな感じだったかと・・・

1)広島アジア大会での事前に設定されたノルマ「韓国より上の成績であり、ベスト4以上」を果たせなかった。
2)試合後、選手たちに「お前たちは何故もっと自己主張しないんだ!」とロッカールームで怒鳴ったこと
3)疑惑のPKに対して審判に執拗に抗議したこと

さすがアンフェアなことが嫌いな川淵さんらしいですな。

そうですよね。戦術はブラジル代表そのままで工夫無し。韓国に勝てず選手の責任にして審判に抗議をするようなマナーの悪い元ブラジルの黄金の中盤の人なんて解任して当然です。
10年先を見据えていたんですね。今になって当時の彼の判断が正しいものに思えてきました。

くしくもこの年、一人の英雄がJリーグを引退しています。
10年後の自分がこれほどファンから夢を奪うことになると彼は想像していたでしょうか・・・

参考:JSA(日本サポーター協会)2001年6月川淵三郎氏(Jリーグチェアマン)インタビュー
http://www.jsa-npo.or.jp/specials/outside/010604_kawabuchi_07.html